あなたが声優を目指すべきではない10の理由
5/7のエントリーを書きながら、世間ではあなたがMacを使うべき10の理由みたいなのが流行っているのを傍目に見ていたら、思いついてみたので書いてみるテスト。
前口上の前にお断りしておくが半分くらいは「ネタ」です。ノリで書き始めてみたら一部内容がかぶってるのもあるし、意外と時間がかかっちゃったので、どうも世間の流行には乗り遅れてる感じですけど。
前口上
以前のエントリーでも書いたとおり、今の日本には声優を目指す人が多いでしょう。中高生にアンケートを採ったらそこそこの順位にランクインするんじゃないかという気さえします。膨大な募集数を誇る声優系専門学校が寂れたという話も聞きません。
そんな皆さんに自分をちょっと見直してみてもらうのもいいかなというメッセージ、という大層なものではなく、声優に必要なものってなんだろうと考えてみるためのメモ(兼、繰り返しになりますがネタ)。でもこれらの内に該当するものがあったら、ちょっと考えてみるのもいいかもしれません。
声優には演技力が必要である
声優は役者です。演技力がなければ話になりません。作品とキャラクターとその心情を理解した上で、適切な芝居ができなければ声優として活躍することは難しいでしょう。
ちょっとアニメ声なだけで「声優になれば?」と言われたことがきっかけという人もいるかもしれませんが、声優はそんなに甘いものではありません。声質が珍しいことが武器になるとは限りません。アニメの声が全部若本規夫と釘宮理恵だったらファンだって飽きます。*1かといって林原めぐみのように「イタコ声優」と呼ばれる必要も、山寺宏一のように「七色の声」と呼ばれる必要もありません。まず必要なのは、あなたの声で感情のこもった演技をする力です。
声優には歌唱力が必要である
昨今の声優が歌を歌う機会は必須、とまでも行かないまでも、仮にデビューしてそこそこ人気も出てくれば避けようもないでしょう。
何も水樹奈々のように子供の頃からのど自慢荒らしをしろとはいいません。友達とカラオケ屋に行ったときに「お、上手いね」と思われるくらいの歌唱力は欲しいところです。音痴を自覚している人は、せめて練習して正しいメロディを追って歌えるようになってください。最悪、大人数の声優ユニットでカバーしてくれるかもしれませんし、敏腕スタッフが機械の力で何とかしてくれるかもしれません。
また自覚していない音痴の友人が声優になりたいと言い出した時は、必ず指摘してあげてください。
声優には顔が必要である
昨今の声優はアニメでアフレコだけをしていればいいというものでもありません。声優専門雑誌が一定の地位を占めており、仮にデビューしてそこそこ人気も出てくればグラビア撮影なんて仕事があるかもしれません。あるいはファンイベントでステージに立つなんてこともあるかもしれません。あなたの外観が客観的に見られる可能性があります。
ここで注意しなければならないのは絶対的な美男美女であることは声優の条件ではないということです。あくまで「声」が仕事の本筋なんですから。でも写真写りがいい必要があるのは事実ではないかと思います。写真を撮られる(あるいは映像に収められる)ことが苦手だという人は、客観的にかっこよく/かわいく見られる方法を研究してみてもいいかもしれません。
声優は体が資本である
アフレコには必ず万全の体調で遅刻せずに現場入りをしなければなりません。ちゃんとした芝居ができなければ多くのスタッフに迷惑をかけてしまいます。日頃から健康管理には気を使ってください。冬場、声優の家には加湿器が必須といいます。特に喉の健康状態には人一倍気を使ってください。もしあなたが喫煙者だったら、禁煙を考えた方がいいかもしれません。
声優は儲からない
専門学校などを卒業して運良く事務所に所属することができたとしても、すぐに仕事があって生活も安泰するというわけではありません。白石文子のように「飯が食えない」という理由で引退してしまう人もいます。かなりいい年齢になってもバイトを軸に生計を立てているという人も少なくありません。同年代の友人と会ったときに、その経済的格差に愕然とする可能性があることを意識しておいた方がいいと思います。同時に経済的に厳しくても力強く生きていく生活力も必要になってくるでしょう。
声優の仕事はアニメだけではない
どうしてもフリーターっぽいバイトをしたくないというのであれば、アニメ以外にも声優の仕事はあるということを覚えておいてください。何かのアニメに憧れて声優を目指して、声優の仕事=アニメの仕事という直線的な思考を持っている人がいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。ドキュメンタリーやニュースのナレーションだったらまだ想像しやすい方かもしれませんが、よくわからない企業のPRビデオのナレーションなんてのもありがちです。最近ではゆりかもめの駅ナレーションなんてのもあります。堀江由衣がファミリーマートの研修ビデオに顔出しで出てたなんて話もあります。名前を変えて18禁ゲームに出て、あえぎ声や淫語を出している人もいっぱいいます。
声優という肩書きであっても、声に関係のあったりなかったりするお仕事をしている場合があります。どんな仕事でもいただいたお仕事には本気で取り組む覚悟が必要です。
声優には厳しいオタクの目がある
何だかんだ言ってもアニメのアフレコというのがメインになってくる、あるいはそうしたいと思うでしょう。しかし一昔前であれば「アニメ=お子様向け」な印象がありましたが、現在は深夜アニメの拡充もありアニメの主なターゲット層はオタクであると言っても過言ではありません。オタクは多量の可処分所得を落としてくれる制作者にとってありがたい存在であると同時に、厳しい目と耳を持った批判者でもあります。そしてインターネット時代ということも手伝って、アニメが放送されればすぐにその感想や批判がインターネット上にあふれます。当然声優に対するものも多く存在します。
声優は役者である以上、常に見ている人を意識しなければならないのは言うまでもありませんが、時としてオタク達の厳しい批判を浴びる可能性があるということを意識しておいても損は無いと思います。それだけ仕事に対して真っ正面から全力で取り組む必要があります。
声優は比較的secureではない
一度何かミスをやらかしてしまい、オタクから厳しい批判を浴びてしまうと(時に嫌がらせのファンレターなども併せて)立ち直れないほどの精神的ショックを受けるかもしれません。もちろんそうならないように仕事に取り組む必要はありますが、万が一の場合に備えて強い精神力は持ち合わせていた方がいいでしょう。
またイベント等でファンに押しつぶされたり、あるいは出待ちに襲われたりするリスクもあるかもしれません。あるいはちょっと買い物のつもりで秋葉原にでも出向こうものなら、取り囲まれて身動きが取れなくなるなんてこともあるかもしれません。それはあなたがそれだけの人気を獲得しているという証明かもしれませんが、それを喜んでいいような性質のものでもありません。
声優の仕事の周りには常に危険があるかもしれないことを覚えておいてください。
声優は芸能人である
普通の俳優やお笑い芸人は、恋人とラブホテルから出てくるところを写真週刊誌に撮られてしまうというリスクがつきまとうので、おちおちデートもできないですが、これらに比べると声優は比較的メディアの目からは寛容かもしれません。このようなスキャンダル記事に声優が取り上げられたというのはおそらく過去ないでしょう。
しかしながら声優業と並行してアダルトビデオに出演していたことがバレて引退に追い込まれた声優も過去にはいます。また恋愛問題や事務所との軋轢が原因で業界から干されてしまった人も何人かいます。*2声優は必ずしもスキャンダルから無縁ではありません。