『プリキュアオールスターズDX2』の名作っぷりと世代間断絶

ずいぶん久しぶりの更新になってしまいましたが、映画『プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』の感想でも。といいつつ、いきなりリンクから。

往年のプリキュアファンよ!「プリキュアオールスターズDX2」を見て涙すればいい!

プリキュアオールスターズDX2』を見てきて、肯定的な感想としてはこの上なく同意できるんです。確かにその通りで6年分、『ハートキャッチ』も入れると6年ちょっと分の『プリキュアシリーズ』をこれでもかというくらい詰め込んだ作品だと思ったんです。モブキャラの細かさとか、物語性のまとまり具合とか、エンディングの圧巻さとか、子供向けを意識した1時間ちょっとの映画の割にはとても濃密な作品だったと思います。
映画館を出たあとに抱いた感想はだいたい一致するんですが、個人的に少しだけ不完全燃焼感がありました。理由は簡単で『ハートキャッチ』にフィーチャーしすぎな印象があったんです。というか水樹奈々にフィーチャーしすぎと言えてしまうかもしれません。正確じゃない印象だけど、プリキュア17人のセリフ配分の4割くらいが水樹奈々(つぼみ)で、2割が水沢史絵(えりか)、さらに2割が沖佳苗(ラブ)、んでもって残りの4割でその他の14人みたいな感じ。
前作の『オールスターズDX』とか『5GoGo』と一緒にやったオールスターズだと、各シリーズごとの活躍する比率が適度に均衡してたような気がするんですが、今回は『ハートキャッチ』がメインで『フレッシュ』が準メイン扱いなのに対して、『MaxHeart』『SplashStar』『5』はどこか脇役感を感じてしまいました*1。今回も前作同様、17人同時アフレコという奇跡をやってのけたらしいんですが、むしろ時間単価の一番高そうな水樹奈々を一番使ったんじゃないかとか下世話の妄想をしてみちゃったり。製作時期からするとあまり影響を与えてはいないはずですが、この年末年始の話題性からすると水樹奈々をフィーチャー気味に扱うのも必然というか、嬉しい偶然なのかとも思えてしまいます。

6年間『プリキュア』を見てきた大きなお友達にもオススメできる映画であることは間違いではないんですが、同時に本来のターゲットでありリアルタイム層である小さなお友達は『初代』『MaxHeart』なんかは知らないんじゃないかな。現に3歳の姪っ子が『プリキュア』を見てるらしいけど、リアルタイムなのは『フレッシュ』と『ハートキャッチ』だけだし、逆に『初代』『MaxHeart』*2がリアルタイムだった世代はもはや『プリキュア』見なくなってるんじゃないかなという予感はあるんですよね。そういう意味では今回の『オールスターズDX2』が『ハートキャッチ』『フレッシュ』に寄ってた印象があるというのも時の流れの必然なのかなという気はします。「6年分のプリキュア」として楽しめるのは大きなお友達の特権という言い方をしてもいいのかな。この辺の大きなお友達と小さなお友達の感覚の差というか世代間断絶がどのくらいあるのか、知る術がいまいちありませんが。
ただ、周りで水樹奈々が出てるという理由で『プリキュア』を見始めたという大きなお友達が少なからずいますが、そういう人たちもぜひ見るべき映画だとは思います。『プリキュア』の美味しいところを詰め込んだ素晴らしい映画であることは変わらないんですから。

*1:個人的には『SplashStar』が至高、一緒に見に行ったのが『5GoGo』が至高というせいは多少あるかも

*2:ナージャ』とか『どれみ』を入れてもいいのかもしれないけど