2007年度上半期アニメ雑感

やっとこの土日の間に9月分が消化できそうです。ここのところ忙しくて更新も放置気味ですが。

そんなこんなで、今年度も上半期が終了です。さっきニコニコ動画で『サクラ大戦3』のオープニングとか見ちゃったら、あまりの神クオリティぶりにおののいたけど、昔の作品に今さら良さを感じるようになるっていうのも何か耄碌したような気がしないでもない。まあ『サクラ大戦3』に関しては当時から神クオリティだったし、シリーズ最高傑作であるというのは今でも疑いようは無いところですが。

さて、今上半期のアニメですが、何が一番印象的だったですかね。『School Days』か? 印象的っていう意味では印象的だったけど、善し悪しでいうとあんまり積極的に良い評価ができるようには思わないんですよね。あちこちのブログ界隈で見かけた原作派のカタルシスを詰め込んだという意味では凄いのかもしれないけど、放送体制とかで遺恨を残してしまったというのは悪いイメージの方が大きいんじゃないかという感じがしてしまいます。
似たような意味では、『らき☆すた』の山本監督降板とか『グレンラガン』で赤井氏の取締役辞任とか、春先から変なトラブルが相次いだというのも印象的だった半年でしょうか。どうもアニメそのものよりも周辺の話題でいろいろ盛り上がったような気がします。ここ数日でもA.I.Cの情報流出問題とか、JAniCA設立とかっていう話題もあったし、忘れちゃいけない麻生太郎のエピソードもいっぱいあったし。

世間で話題を振りまいたという点では『らき☆すた』は外せないとは思いますが、途中から妙なあざとさが目に付くようになってしまって、あまり本格的にどっぷりハマリ切れなかったというのが正直なところです。「あざとさ」という意味では『ハヤテのごとく』や『さよなら絶望先生』もそうですかね。オタクに媚びた描写をすることが悪いとは思わないし面白いことは否定できないんですけど、何か違うだろという気もしてしまいます。『ゼロの使い魔2』もそうかな、第1期に比べるといろんな意味でパッとしなかったという共通見解があるように思います。

じゃあ、というわけでもないですが、『DARKER THAN BLACK黒の契約者』とか『キスダム』とか『エル・カザド』みたいなタイプの硬派な作品も一時期ほど受け入れられなくなったのかなという気もしました。こういう作品をどうカテゴライズすればいいのかという難しいですが、「この手の」オリジナル作品とでも言うんですかね。似たようなスタッフが関連した作品だと、『カウボーイビバップ』だったり『NOIR』だったり、まあ原作あるけど『星界の紋章』シリーズだったりが挙げられるけど*1、2000年前後の時期とかに比べてオリジナル系作品の魅力がどこか薄れたような気がしてなりません。*2

原作有り作品にちょっと目を向けると、『大江戸ロケット』と『ロミオ×ジュリエット』という珍しい所から原作を持ってきた作品が面白かったのが印象的でしょうか。GONZOの歴史的名作シリーズは今に始まったことじゃないけど、エロゲーのアニメ化も食傷気味な感はあるし、テレビドラマですらマンガ原作に手を出すような昨今、こういう試みは高く評価していいんじゃないかと思います。
エロゲーラノベ原作は、この半年はあんまりパッとしなかったですかね。エロゲーだと『School Days』が全部持っていったような感があるのと、ラノベの場合は去年の『ハルヒ』の反動じゃないかという気もしますが、あとは『神曲奏界ポリフォニカ』が事実上コケたなんてのもありますかね。
原作ものだと『おおきく振りかぶって』を忘れちゃいけないのか。25話費やして1回戦が終わったところで終了だけど、展開の遅さが全く気にならない濃密な作品だったと思います。

で、この半年で一番面白かったアニメというと、『銀魂』かなぁ。ジャンプアニメが強い状況がもう2〜3年続いてるような気がしてるけど、『NARUTO』や『BLEACH』や『ワンピース』が原作に引きずられるようにストーリー展開が遅くなってる中で、『銀魂』はいいテンポとテンションが続いてるし。ネタの選び方が『ハヤテのごとく』と変わらないんじゃないかという気もするけどね。でも「紅桜編」とか真面目な話もちゃんとできるんだよというところを見せつけてくれたのは高評価していいと思います。9月の最終週のはネタに走りすぎだけど。

下半期は何に期待しておけばいいですかね。『CLANNAD』と『カイジ』なのかな。原作がちょっと好きなので『しおんの王』とかは期待してたりしますが。アニメオリジナルな作品自体が減ってるような気がするということを踏まえると、どうしても原作の評価が高かったり好きだったりする作品に期待せざるをえないという状況はありますが、こういうような傾向はどうしても続いてしまうんでしょうか。いい加減、アニメの本数や放送枠がもっと減る傾向になる時代に突入してもいいと思いますけど、そうはなかなか行かないのが不思議なところです。

*1:この挙げ方は恣意的過ぎるな

*2:取って付けたように書くけど、高評価をしてる方もいらっしゃる『なのは』は今シリーズもあまり好きになれないまま終わってしまいました。今回のシリーズでキャラが一気に増えたっていうのも大きな要因でしょうが