「プリキュアナイトカーニバル」感想に代えて

ずいぶん久しぶりの更新になってしまいました。最近、Twitterの方がラクなんですよね。
まあちょっと長い話題を書こうとするとこっちの方が便利かなとも思うので、ここで書いてみようと思います。


5月6日に開催された18禁プリキュアこと「プリキュアナイトカーニバル」に行ってきました。11時間で歴代のプリキュア映画9本のオールナイト上映というおかしなイベントです。『プリキュアシリーズ』自体は『無印』から見てるんですが、映画を見たのは『フレッシュ』以降だったかな、『オールスターズDX』は全部見てるけど。何故か『MaxHeart』は見たような気がしてたんだけど記憶が曖昧です。
個別の細かい感想は割愛しますが、個人的には『Splash☆Star』が至高であるというのを再認識したりしました。あとは休憩中にキュアイーグレット役の榎本温子さんにTwitterでMention送ったらリプライ返ってきて嬉しかったとかそんなのもあるけど。あ、あと最新作の『オールスターズDX3』は感動作なので、もう公開館は少なくなっちゃってますがみなさん見ましょう。『DX2』はちょっと「水樹奈々劇場」過ぎて、それはそれでいいんだけど「プリキュアオールスター」としてはいまいちなので、真夜中だったこともありちょっと眠くなってましたけど。


歴代のプリキュア映画を(今回全てではないけど)通しで見るとそれなりの感慨があって、『プリキュア』ってのは「希望と友情」の話なんだと強く感じました。『どれみ』が言わば友情の物語だったのに続いて、『ナージャ』は希望を求める物語だったのかなと思ってたんですが、それを昇華させ進化し続けてるのが『プリキュア』なんだと思った次第です。
『オールスターズDX』シリーズ、というか今回の『DX3』は特に良いんだけど、本質的にはレギュラーシリーズの映画作品の方が良いとも思いました。全映画(もっと言えばTVシリーズもそうなんだけど)を通底して「希望と友情」が流れていると思うんですが、レギュラーシリーズの映画作品の中ではその対局である「絶望と不信」みたいな要素が分かりやすいくらい描かれるので、テーマとしての「希望と友情」がはっきりするんですよ。『Splash☆Star』が至高だと感じたのもそこで、序盤の伏線を踏まえて中盤に咲と舞が心身ともに離れ離れになって終盤に見事出会って戦いに挑むくだりはその白眉と言えます*1。『5GoGo』でみんなが引き離されている中でドリームとココが戦うくだりとか、『フレッシュ』でピーチがウサピョンとの関係を悔やむところから立ち直ってラッキークローバー・グランドフィナーレに至る流れとかもいいんだけどね。特に『Splash☆Star』では「相棒に対する不信」によって生まれた「生きて帰れない絶望」から、「相棒に対する信頼・友情」を取り戻して「悪に打ち勝つ希望」を見出していくというギャップがたまらなく泣けました。女児向けということもあるんだろうけど、こういう前向きなテーマを分かりやすく描かれるのは大人が見ても感動できるもんなんですよ。
ちなみに『ハートキャッチ』の映画はちょっと異端で、「プリキュア同士の友情」ではなくて「オリヴィエとの友情」にフォーカスしたり、「サラマンダー男爵自身の絶望」が描かれたりということで従来とは違う味わいがあります。
一方『オールスターズDX』は、「別シリーズのプリキュアとの友情」が出てきたり敵は強大なんだけど概念的で相対的に絶望さが足りないとかっていう残念さはあるんですが、名実ともに集大成と言える良さがあります。『ちょ〜短編』や『初代DX』はまだ「やってみた感」があり、『DX2』では当時現役のハートキャッチと先代のフレッシュに寄っててオールスターらしさが弱いと感じられて*2、それを踏まえての『DX3』ではシリーズごとのバランスも良かったし終盤の「妖精とお別れしてプリキュアになれなくなるかもしれない」という辺りで従来のプリキュア映画らしさがこれでもかというくらい感じられたかな。


プリキュア』の進化は、トライ&エラーだったとも思いますけどね。あるいは『ナージャ』の商業的失敗があったからこそ『プリキュア』が生まれたとも見れるし、『Splash☆Star』の商業的な停滞があったからこそ『Yes!』以降のスタイルがあったり『フレッシュ』『ハートキャッチ』『スイート』といろいろ変えてきてるというのもあるかもしれません。思えばシリーズももう6代8年目でいつまで続くのかなぁという不安もあるんですが、『DX3』の動員も100万人目前らしいし、「ナイトカーニバル」の時にゆかなさんが野沢雅子さんに言われた話として披露してた「10年続く作品にしなさい」という日もあと少しに迫ってきているので、もうちょっと頑張ってほしいものです。こういう小さい子どもたちに「希望と友情」を伝えられる作品は長く続くべきだと思いますよ。

*1:TVシリーズでも序盤くらいで必ずケンカするエピソードがあるけど、『Splash☆Star』が一番印象的だったかなぁ。

*2:というかまあ水樹奈々劇場なわけで