コミケ限界説を深く考えたC74

久しぶりの更新です。仕事が忙しいというありがちな理由はありますが、昨日今日とコミックマーケット74に参加してきました。相変わらず久しぶりにサークル参加したい欲求は薄く持ち続けてはいますが、今回も一般参加です。

さて、今回のコミケではいつになく「コミケ限界説」を強く意識してしまいました。直接的には開催直前に発表された手荷物確認によるものと、ワンフェスでのエスカレータ事故を踏まえた導線の変更が大きいでしょうか。他にも「ポプルス騒動」とか関連して「竹箒騒動」とかもありました。それなりの混乱はあったり、雨がつらかったという面はあるものの、まあまあつつがなく終了したという風にも見えました。
とはいえ年々参加者が増え続けていく中で、今回は確実に60万人(つまり平均しても20万人/日)を超えているという印象があります。去年の夏コミや冬コミに比べて人口密度が高かったように感じました。前述したような導線変更に伴う混乱も関連するかもしれませんが、実質的には東京ビッグサイトの物理的キャパの限界を意識せざるを得ません。ましてや今回はコスプレ広場が1F庭園になったという変更もあり、人がいられる場所が拡大したに等しいにも関わらずそう感じるというのは*1、参加者の増加を如実に表しているような気さえします。

また今回はここ数年のオタク界隈での流行廃りの流れも踏まえて、「コミケ初心者が多いんじゃないか」「コミケが何なのかわかってない参加者がいるんじゃないか」ということが語られますが、若年層が増えてるというのはある程度事実でしょう。同時に高年層があまり引退してなくて、結果的に参加者が増え続けてるということなのかもしれません*2。それと同時にオタクのカジュアル化の進行と共に、古いタイプのコミケ参加者に感じられたような「濃い人」ではない人が増えてるというのが輪をかけているのかもしれません。

さらに今回、児童ポルノ禁止法改悪*3の反対署名活動が行われていましたが、これもコミケが抱える問題・危機のひとつです。実際どれくらいの人が署名したのかは事務局等から発表されると思いますが、あまりこの問題に興味ない参加者も多いのかなとも思います。

コミケに対する限界感や危機感はまずは物理的なキャパの問題から感じられてしまいますが、同時進行で参加者の「濃さ」や「意識」の面でも危機感を感じざるを得ません。
そんな今回のコミケでのいろんなできごとを概観すると、全参加者の意識としてコミケは変革すべきじゃないかという印象を深く持ったコミケでした。それを危機感として持っているのはスタッフ・サークル・一般共に一部なんじゃないかなという気はします。企業参加にそこまでの危機感は多分無いだろうし*4。でも具体的にどのような変革が可能なのかっていうのは誰にも模索し切れていない中で、現実的な規制や変更だけが先行して進んでるのが今回のコミケだったんじゃないかと思いました。

まずは全参加者が「コミケの意義」について考え直すところから始めてもいいのかもしれませんけどね。

*1:ここ数年は「とな博」との共存も奏功してるのかなとは思いますが

*2:人のことは言えない。思えば15年コミケ行ってるけど、おっさん化した気がするなぁ。晴海の頃が牧歌的だったような気さえする。

*3:あえて「改正」ではなく「改悪」と言います。私も署名してきたので

*4:企業参加の当選率も下落傾向にあるという話を聞くと、それはそれで違う危機感を持ってるかもしれませんが