アニメ放送時間帯の憂鬱

やっとこさ1月スタートの新番組も初回から2話目くらいまで視聴できました。昨年末に比べて本数は減った感じ。久しぶりに50本の大台を割り込みそうです。
普段はハードディスクレコーダーの番組表を「ジャンル別→アニメ」でソートして、片っ端から録画予約するという視聴スタイルなため、放送時間というものを意識しないどころか、どのアニメを何曜日の何時に放送してるかすら把握してない作品が多々あったりします。この方法で『ライオン丸G』とか『デビルシャドー』はアニメカテゴリに入ってるのに、『しにがみのバラッド』が入ってないのが激しく謎ですが。*1

新番組の中で面白いのというと、『のだめ』か『まなびストレート』かな。川澄綾子野田恵じゃないんじゃないかなぁという気は放送前からしてたけど、やっぱり違う気がするな*2。ドラマの方を半端に見てた影響かもしれないけど、上野樹里が意外と良かったせいで違和感を感じるのかもしれん。奇才幾原邦彦がオープニングということで、そこも注目でしょうか。
まなびストレート』の方は適当に脱力して見られるのでいいかな。途中のCM見てて思ったけど、平野綾にキャラソンを歌わせるのはもはや卑怯以外の何物でもないとか思っちゃったりしますが。

相変わらず深夜枠のアニメが多すぎるという状況は変わってないですが、『まなびストレート』なんかを見ててこれを深夜枠に持ってくるのはもったいないと思えてなりません。別に深夜枠で放送することに放送権料の直接的な違い以外にメリットがないような気がしてしまうんですよね。「子供向け」「大人向け」「オタク向け」みたいなカテゴライズに意味があるのかという議論に繋がるような気もしますが、大まかには

子供向け…土日朝、夕方〜ゴールデンタイム
大人向け…深夜0時前後(とTBS土6?)
オタク向け…さらに深夜から早朝、あと独立局深夜

みたいな分類が暗黙に存在しているような気がするのですよ。

「大人向けアニメ」がビジネスとして成功してるっていうのは、フジの「ノイタミナ」だったり日テレの「ANIMO」*3だったり伝統になりつつある火曜深夜枠だったりという具体例があるので詳しくは割愛するけど、非オタク向けのアプローチとしてはこれくらいの時間帯が早くもなく遅くもなくちょうどいいということなんでしょう。
それ以外の深夜アニメというと、オタク以外に誰が見るんだよという気がどうしてもしてしまうんですが、そんな条件下で放送されてることがもったいないと感じてしまうアニメは少なからず毎シーズン何本かあります。今期だと前述の『まなびストレート』と『セイントオクトーバー』なんかもそうかな。『セイントオクトーバー』なんかテロップにルビまで振ってるのに深夜放送ってどういうことやねんと思ってしまいました。夕方やるにはちょっときわどいような気はしないでもないけど。
『マスターオブエピック』はちょっと微妙なところで、ネタにオンラインゲームであることを振りまき過ぎなので、やや門戸を狭めてる感はあるけど、放送時間帯で「オンラインゲームをやるような人」を対象にしてしまうよりは、夕方枠とかで「作品世界の魅力を広く伝える」ような努力をしてもよかったんじゃないかなぁと思うわけです。*4

放送局が違うから簡単な議論はできないけど、同じようなスタッフの『新ネギま』が夕方で『ひだまりスケッチ』が深夜っていうのもやや謎ですね。どっちもキテレツ演出満載でオタク受けは非常にいいと思いますが、『ひだまり』の方がネタ的によい子にわかりやすい気がするし、『ネギま』の方がオタク好みなネタが多いような気がしてなりません*5
最近の興味深いトピックとしては「BANDAICHANNEL Kidsで『あずまんが大王』が配信」なんていうのがあって、ネット配信とはいえ『あずまんが大王』は子供向けに行けるという目論みがあるということに他ならないのではないかと思います。
もうひとつ興味深いのは『カレイドスター』の再放送を深夜にやってて、あれは元々夕方→土曜朝という放送枠を変遷した作品だけど、非常にオタク受けが良かった反面、それ以外の例えば子供とかに受けたのかというと疑問符がつきます。ある意味で深夜に再放送しても、必要な層にアプローチできるという判断があったのかもしれませんが、あれはあれで子供に希望を与えるようなメッセージは含まれてた作品なんじゃないかと思うと複雑な気もします。

アニメが恐ろしい本数に達しているのに「よい子のためのアニメ」みたいな議論がなされないっていうのは、ちょっと悲しいんじゃないでしょうか。古き良きお子様向けアニメのビジネスモデルが崩壊気味だとか*6、清く正しいロボットアニメが皆無だとかっていう問題も関連するでしょうが、「深夜に放送してオタクだけが録画して見る」ような作品ばかりが増えて「子供が夕方にリアルタイムで見る」作品が少ないっていうのは憂うべきでしょう。『ケロロ軍曹』があれだけオタクにしかわからないようなネタが満載なのに、夕方に放送し続けてるっていうのも偉大な前例だと思うんですけどね。
夕方やゴールデンは放送権料が高いとか枠そのものがニュースやバラエティに占められてるっていう事情もあるとは思いますが、深夜に放送されてる比較的わかりやすいアニメなんかは、もっと裾野をひろげる努力をしてもいいんじゃないかなと思います。

あと「子供」って適当な括り方をしちゃったけど、本当は幼稚園児〜高校生くらいまで細分化して考える必要もある問題なのかもしれません。

*1:ライオン丸G』は見てたけど、今期は実写切っていいかなぁ…

*2:何かのはずみでピアノを弾かせるという意図があるだろうことは否定しないけど

*3:まだ実質『NANA』しかないけど

*4:GDHだって一応上場企業なんだし。去年1年間の株価だだ下がりは赤字と新興市場の地合の悪さがあったけど、さすがに心配しちゃうよ

*5:最近だと「パヒマテ」バックに仮契約とか

*6:唯一続いてるのは、『プリキュア』と『ふたご姫』くらいか?