「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」にあかほりさとるの過去・現在・未来を妄想する

なんとか3月末終了番組がほぼこなせて4月からの新番組を見始めました。もう4月も半ばだというのに…。巷で話題の『涼宮ハルヒ』の神アニメっぷりとかいろいろ面白いことはあるんですが、それはさておき終わった番組について思ったことを。


そんなわけで『かしまし』なんですが、今さら「あのね商法」について言及してもしょうがないと思うので(これはこれで追々取り上げますが)、ちょっと違った視点の感想でも。
思えば10年ほど前、僕にとってあかほりさとるはトップクリエイターの一人だったんじゃないかと思うことがあります。何が良かったのかはよく思い出せないけど、『爆れつハンター』とか『セイバーマリオネットJ』とかは最終回にえらく感動した記憶があります。そういえば『サクラ大戦』も96年か。当時文化放送アニラジのヘビーリスナーをしていたせいもあって、余計にあかほりさとるに対する信仰のようなものがあるのかもしれません。
あかほりさとる作品で最後の名作だと思えるのは『サクラ大戦3』かな。『らいむいろ戦奇譚』では明らかに『サクラ大戦』の「縮小再生産」と感じられる部分が強すぎるので評価できないし、『MOUSE』もなんかも一時期のようなキレは感じられなかったし。
最近は自らが脚本や小説を書くということはなくて、専ら原作にのみ専念してるようなので、一時期のあかほり作品と直接比較することは難しいような気もしますが、この『かしまし』を見ていると往年のあかほりさとるらしいと思えるところと、あかほりさとるは変わったんじゃないかと思えるところが多々見受けられるわけです。前者は「オネニーサマ」っていう言葉じりで感じられたり、水谷優子の役どころだったり、植田佳奈×田村ゆかり×堀江由衣というラジオ展開まで意識した当て書き的なキャスティングがそれ。後者に関しては変に昔のようなドタバタ劇にしないで少女三角関係を丁寧に描いていたように感じられたというのが大きいでしょうか。
ただ「昔のあかほり作品とは違う」と思えるのは確かではありますが、ここ5年くらいのあかほりさとるの活動は個人としての活動よりSATZの社長としての活動の方が主だと感じられるので評価に悩むところです。『かしまし』に関しても「あかほり作品」というよりも「花田十輝作品」と言った方がしっくり来てしまいます。そう考えると純粋な意味での「あかほり作品」はもう見られないのかなと思うと残念でもあり、昔ながらのあかほり作品よりはプロデューサー的なポジションから出てくるあかほり作品の方が面白いのかなとも思えてしまいます。*1
そんなあかほりさとるの活動を見ていると、いまだに待望論のある『シュラト』や『爆れつ』を始めとする未完作品の再開は(版権絡みの大人の事情もありそうだけど)望めないのかな。でも『かしまし』のアニメを見ていたら、弟子によるノベライズではなくあかほりさとる自らの手によるノベライズを読んでみたいような衝動に駆られてしまいました。

この時期になってやっと新生あかほり作品が形になったのかなという思いがある一方、「あのね商法問題」*2というミソがついてしまったのが残念な作品になってしまったように思います。

*1:とはいえ今現在の評価としてはあかほりさとる花田十輝もあまり評価してないつもりですが

*2:「あのね」のシーンそのものが蛇足だと感じてしまったんですが。このシーンを未放送第13話の冒頭に持ってくればそんなに問題にはならないと思うのに。