「Canvas2 〜虹色のスケッチ〜」に残る不完全燃焼感

視聴が遅れに遅れていますが、やっと3月最終週の最終回ウィークに突入。良くも悪くも印象に残ったアニメについてちょっと書いて行こうかなと思います。今の段階でいくつかのアニメに対する「オチはDVDで批判」とか、『涼宮ハルヒ』の神アニメっぷりを聞きかじってしまうととっととその辺を見たいとは思うんですが、まあ焦らずゆっくりと。

Canvas2』は特に中盤以降、浩樹と霧が接近していく辺りから今までのギャルゲーアニメとは違う雰囲気があるなと感じていました。浩樹と霧とエリスの三角関係のバランス感にギャルゲーアニメっぽくないトレンディードラマ(死語)っぽさを感じられたから、妙な新鮮さがあったのかもしれません。だからこそ霧が浩樹への恋を再確認していくプロセスとか、それに浩樹が気づいていくプロセスを、エリスの嫉妬をスパイスにして順調に進んでいたように見えただけに、最後で浩樹が霧を振ってエリスを選んでしまうという結果にどうにも釈然としないわけです。
霧とのクリスマスデートをすっぽかすところまではまあいいとしても、浩樹がエリスに絵をプレゼントするだけで浩樹とエリスの関係は十分に解決されているはずなのに、ラストの裸キスシーンがひどく蛇足のように思えてしまいました。浩樹が明らかに霧を「女」として意識している描写が見受けられただけに、それを覆すほどエリスを「妹以上」に思っている描写があったかというとどうかと思うわけです。
得てしてギャルゲーアニメは「ギャルゲー的必然」に引っ張られて肝心な部分がおざなりになってしまう傾向があるような気がするんですが(例えばアニメ版『君が望む永遠』とか『ダ・カーポ』とか)、この『Canvas2』も同じ轍を踏んでしまったのが実に惜しい。ギャルゲー的言い方をすれば、このまま霧ルートを進んで晴れやかにエリスを送り出すようなラストだったらもっと後味がよかったんだろうな。前述の中盤以降の浩樹×霧の心の動きが伏線としてあまりちゃんと機能できていないように感じられてしまって、実にもったいない。