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萌えよ剣、ロックマンエグゼストリーム、ギャラリーフェイク、エレメンタルジェレイド、攻殻SAC 2nd、かみちゅ、タイドラインブルー、ハチクロ、陰陽大戦記、冒険王ビィト辺りが抜けてるような気がするけど、気力が…。文句はいろいろありつつも結構楽しく見てた作品が多いのも事実だけど、名作と自信を持って推せるのもなんか見当たらない今期です。
ちょっと印象的だったのをいくつかまとめて最終回の感想を。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 最終話「最後の力」
メカアクション以外にあまり見るべき所がなかったというのが正直な感想。このシリーズの50話、全シリーズ通してだと2年100話近くを費やして描きたかったものが何なのかがよくわからないままのような気がする。メカアクションに力を入れまくってそれはそれで良かったんだけど、肝心のストーリーの方は引っ張りまくりの展開と名ゼリフを意識したような一言で強引に進めていたように思うんだけど、そこが敗因といえば敗因じゃないかな。その進め方も抽象的な精神論に聞こえてしまうので、具体性に欠けてよくわからないまま。『ガンダム』っていう作品は「政治と戦争」の物語だと思うんだけど、『SEED DESTINY』について言えば「政治思想」に偏っていたのが特徴か。『SEED』の頃はちょうどイラク戦争とかもやってたのでそれでも面白かったのはあるんだけどね。
SPEED GRAPHER 最終話「六本木クライシス」
最後の最後で経済ドラマみたいな色合いが強く出てきたので、つい村上龍の『愛と幻想のファシズム』を思い出した。官邸を爆撃するシーンとか「クラブ」におけるデカダントな世界とかが被って見えたし、ラストの夕陽の写真を撮るところなんかも、『愛と幻想の〜』のラストのキングサーモンを釣るところと似て見えてしまったし。
総じてこの作品の世界観とかセンスの良さは光っていたかな。全体を通じている退廃的な部分とか、水天宮が持っていた絶望と野望、あるいはラストの夕陽のシーンに象徴されるのは希望なんだろうけど、要所要所でそういうものに対する意識がはっきり感じられたのは好印象。それこそ初期村上龍的な感覚を感じていたんだけど、それを21世紀になってアニメで見られるとは思わなかったよ。もうちょっと作画が安定してれば良かったんだけどなぁ。
極上生徒会 最終話「今日も極上日和」
巡り巡って見事に元の鞘に収まったな。どんな話だったのかよくわからないままいろいろ立ち回ってて、気がつけばハッピーエンドみたいな感じ。シリアスなはずの話でもシリアス一辺倒にならなかったというのは評価が分かれるところなのかもしれないけど、これはこれで良かったんじゃないかな。どっちかというとギャグに持って行きたがるのが「極上」というかね。
このキャスティングであんまり声優アニメに見えなかったというのが意外ではある。声優抜きにして個性的すぎるキャラが立ってたのと、特に田村ゆかりのりのとプッチャンの演じ分けとかそういう芝居の部分で見るべき所が多かったからかな。んで、そういうのを全部ひっくるめて「極上日和」なんだと感じられる最終回でございました。
MONSTER 最終話「本当の怪物」
結局最後まで原作未読のままでアニメの最終回を迎えてしまったんだけど、それでも原作に対して丁寧なんだろうなという姿勢を感じることができた。『マスターキートン』の時も同じことを感じたんだけど、完成された原作に対して大きな改編を行わないで足さず引かずの姿勢を貫けるっていうのは偉大なことなんだろうな。
そんなアニメ化の唯一の差別化できるところとしてキャスティングが挙げられるけど、これも申し分なかった。小山茉美・磯部勉・永井一郎に佐々木望という比較的ベテランで揃えたというのもあるけど、そんな中で能登麻美子の健闘が光る。ベテランの芝居の良さもあるんだけど、それに引けを取らなかった能登麻美子が印象的だった。