秋葉原は行きにくい街か?

今日、電車の中で隣のオジサンが読んでたスポーツ新聞の記事が気になってしまいました(よくあることだけど)。記事のテーマは「秋葉原メイド喫茶(あるいは派生したメイド系ショップ)が増えた」という内容。秋葉原に通うような人であればかなり今さら感の漂う記事であり、ざっと眺めていた感じではメイド喫茶やメイド居酒屋の話題から何故か『もえたん』の話題に飛んでみたり、さらに性風俗の話題にも飛んでみたりと支離滅裂の内容だなぁと感じてしまいました(といっても精読したわけではないんですけどね)。
そんな中で気になったのが「秋葉原に冷蔵庫を買いに来た30代夫婦」のコメントとして「家族で行きづらい街だ」というような意味のコメントが掲載されていた点。確かに今の秋葉原は電気街口の改札を出て左に曲がるといきなりM'sがあったり、中央通り沿いにはラムタラがあったり、同じく中央通り沿いにはアニメイトとらのあなが軒を並べ、さらにはソフマップメッセサンオーを始めエロゲーのポスターが山のように貼られたお店がいっぱいあるわけです。確かに家族連れはおろか一見さんには厳しい街と言えるかもしれません。
そこまで思考しながらふと考えたんですが、秋葉原ってそもそもそんな家族連れに優しい街だったっけ? 私が秋葉原に通い始めてからまだ10年ほどですが、昔からそんなに「素人に優しい街」という印象はなかったけどなぁ。白物家電って言っても比較的駅に近い石丸電気ラオックス、それからオノデンサトームセンヤマギワなんかがあるだけで、それ以外のお店はそれなりに「通好み」な色合いを残しつつ盛衰を繰り返していたような気がするんですけどね。「秋葉原の歴史」と言うと戦後から数えればそれだけで一冊の本になったりもしますが、少なくともここ10年を見るとWindows95に前後した「パソコンの街としての発展とある種の定着」があって、さらに2000年ごろを前後として「オタクの街としての発展」があってそれがここ最近で「萌える街」として定着してしまっただけなんじゃないかなぁ、と思うわけです。
同時に小売業界の情勢を見れば、いわゆる「カメラ系量販店」と言われるビック・ヨドバシ(池袋・新宿)の隆盛、あるいは「郊外系」と言われるヤマダ・コジマの隆盛が伝えられる中で、その両陣営とも攻めあぐねていたのが秋葉原の特殊性なんじゃないかと思うわけです(それもヨドバシの出店ビックのソフマップ資本参加で変わるような気はしますが)。
「ごく普通の家族連れの家電製品の買い方」って今どきだったら新宿や池袋(もしくは有楽町とか)に出てみたり、あるいは車で郊外のお店に出たりっていう方が普通なんじゃないのかな。あるいは何らかの信念や「電気街」という言葉に惹かれて秋葉原まで出向いたとしても、何とか駅周辺の大きなお店で済むように思えるわけです。よく言われるような「秋葉原特有の変化」はよほど意識しながら裏通りまで歩かないと垣間見れないだろうし、ましてやそういう趣味がなければ「決して理解できない異文化」でしかなような気がします。良くも悪くも今の秋葉原はそういう街なんじゃないでしょうか。