新年早々アニソン原理主義について考えた
謹賀新年。と、型どおりの挨拶はそこそこに、年末年始だからどうしたというもんでもなく、むしろレギュラー番組が休み&仕事が休みなのをいいことに、貯まりまくったアニメを一気に消化しようと目論んでますが、なかなかリアルタイム放送分に追いつけません。
去年の間にこのはてなダイアリーでの書き方のスタイルを確立できたような気がしているので、だらだらと更新していきつつも、ちょっとはエントリーのペースを上げたいなと思う今日この頃です。
年末に2006年のベスト声優についてエントリーしましたが、今回はアニソンの話。といっても使い古された話題という気がしないでもないですが。
2006年のベストアニソンは何だったかなと考えると、個人的に最大のヒットは「踊る赤ちゃん人間」でした。昔、筋肉少女帯が好きだった身としては復活を華々しく飾るにふさわしい「筋少らしい」一曲だったというのもありますが*1、それに加えて『N・H・Kにようこそ!』というアニメの主題歌として妙にマッチした歌の世界観がまた良かったわけです。元々原作の滝本竜彦自身が筋少好きで、それにインスパイアされた作品だったという背景があったからこそ実現したコラボレーションだとは思いますが、アニソン系歌手・声優以外が歌ったアニソンで、こういうコラボが聞けるとは思いませんでした。
それ以外だと『天保異聞 妖奇士』の主題歌「流星ミラクル」がちょっとツボに入ってますが、アニソンとして評価しようとすると微妙どころかダメだろと思わざるをえないのが残念なところ。TBSの土曜6時枠って一般アーティストが歌うのが定番になってて*2、『SEED』でも『ハガレン』でも『BLOOD+』でもアニソンとしていい線行ってたような感じがしてたんだけど、今回は見事にその期待を裏切ってくれました。まあ一応時代劇という作品背景の中で、それに見合った主題歌を選ぶっていうのも難しいのは理解できるけど、やはり残念な気はしていまいます。いくらなんでも青春ラブソングはどうよ、というかね。PVはそれ単体で好きなんだけど。
ただふと立ち返って考えてみると、「アニソンはアニソンらしくあらねばならない」っていうある種の原理主義ってどこまで押し通すべきなんだろうという疑問がないわけでもありません。影山ヒロノブみたいに「必殺技連呼系」以外ダメだっていう意見も正しいと思いつつ、もはやそれは過激派なんでしょう。もっと細分化できるだろうけど、簡単に分類してみると下記のような感じ。
- 過激派…必殺技とかキャラ名連呼しないとダメだろ
- 中間派…キャラ名はいらないけど、作品世界を意識してないとつまらんよ
- 穏健派…何となくでも作品世界を暗示するキーワードがあればいいんじゃね?
- (代表例:難しいところだけど『ハガレン』とかがそうだった気がする)
- 容認派…アニメと関係無い歌でもいいだろ
アニメの主題歌におけるアニソンらしさって、多かれ少なかれ作品の世界観に沿っているべきだっていうのが「アニソン原理主義」で、過激派から穏健派まで幅はあるとは思いますが、大抵のアニメファンってどこかに属していつつ、容認派は意外と少ないんじゃないかというのが印象としてあります。
90年代前半くらいまではそういう過激派というか直接的なアニソンが主流で、『セーラームーン』くらいまでがそうだったのかなと思いますが、ちょうどそれくらいの時期の『幽遊白書』ごろから間接的なアニソンが増えてきたのかなぁという気がします。『スレイヤーズ』や『エヴァ』辺りで中間派の存在意義が確立されてきたのが90年代半ばごろで、これが2000年頃からエロゲーに端を発するI'veの躍進で完全にスタンダードになったという流れがあるでしょう*3。今のアニソンってここに属してるタイプがほとんどだし、前回のエントリーでも少し書いた「アニソン専業歌手」が増えてるっていうのも、そういう人たちがそういう部分で一日の長があるっていうのも一般のアーティストと違うところなのかもしれません。
作品世界に合った主題歌であるべきかどうかっていうのは議論のあるところですし、アニメに限らずテレビドラマなんかでも当てはまる議論でもあります。でも毎週の冒頭を飾ったり、映画とかだったら締めを飾るわけですから、それなりに作品世界を意識して欲しいと思うのは、そんなに贅沢なリクエストではないと思いたいもんです。
とかっていろいろ書いたけど、『ちょこっとSister』の最終回見てたら「ねこにゃんダンス」がある種のテロリストのような気がしてきたよ。