Web2.0時代における評論同人のあり方

コミケカタログも発売されて、オタク界隈は年末モードになっています。今回の冬コミハルヒ同人がものすごい勢いで増殖してるんじゃないかという感はありますが、個人的には例年通り評論系とか創作文芸とかそういった辺りを中心に回る予定。もうそろそろ退役してもいいんじゃないかと思うこともありますが、夏と冬がやってくるとつい有給休暇を使ってまで行ってしまいます。

数年前はサークル参加してたりもしたし、去年の冬コミの時もつい出来心を出して申込書を買うだけ買ってしまったんですが、どうにもサークル参加するだけのモチベーションが起きず、買い専になってしまっています。
最大の理由は明確に自覚していて、このはてなダイアリーがあるから。月に1〜2回しかエントリーしない状態になってしまっていますが、1つのエントリーがそこそこの分量になってしまうこともあり、年間トータルでの文章量で考えればA5で32ページくらいの同人誌なら夏と冬にそれぞれ新刊を出せるくらいの量になってしまっています。ただコミケに合わせようとすると、それぞれ1つのテーマに絞ってそれなりの分量に仕上げなければいけないというプレッシャーが大きいのですよ。まあ元々個人サークルでやってたから*1、簡単にブログで同等のことができてしまっていたというのはあるかもしれません。こっちなら思いついたときに思いついたテーマで、適度な分量で書けてしまいますし。

他の評論系同人様を見てみると、大手や有名人は内容が商業誌化したりあるいは商業誌でもインターネットでもできないような話題に傾倒したりして、逆に中小のそれこそページ数も少ない同人誌を発行してるようなサークルは内容が秀逸なブログのエントリーと大差が無いような気がしてしまっています。それこそ年に2回のコミケではタイムリー性が失われているという点で大きく及ばないところがあるわけで、「こういう話題、どこかのブログで見たなぁ」と思うと食指が伸びにくいのも事実。特にアニメ系な評論同人だとこの傾向が顕著なように感じます。
個人的にも今、年間総括みたいなネタをはてなダイアリー用に書いてたら8000字を超えるボリュームになっちゃって、これってちゃんと作れば同人誌にできちゃうんじゃないかとか思ったりもしましたが、だからといって夏の段階からこれを企画して執筆・編集・製本できたかというとそこまでやる気力はなくて、特に編集・製本と販売の手間がいらないという点でブログってお手軽なんですよね。
他の知っている方なんかを見ても、評論同人のブログ化みたいな流れは少なからずあるように感じていて、特にアニメ評論みたいな話題を紙の同人誌にしてコミケで頒布するっていう意義は失われつつあるんじゃないかとすら感じてしまいます。それは決して、衰退とかそういうネガティブな意味合いではなくて、メディアの変質というような言い方の方が正確です。加えてブログがお手軽で誰でも書ける世の中になってしまって、元々アニメ評論同人があったところの参入障壁が一気に下がったというのはあるかもしれません。

あぁ、でも同人誌作ってコミケ行きたいなぁという欲求は少なからずあるんですよね。ブログ書いてコメントされたりトラックバックされたりという快感とは別種の喜びがあるんですよ、アレ。何だかんだ言いつつコミケの空気が好きなだけかもしれませんが。

*1:それなりの「同人」を集めて定期発行する意義はあるのかなと思いますが