水樹奈々の「ETERNAL BLAZE」がオリコン初登場2位という話題に関して

水樹奈々の12thシングル「ETERNAL BLAZE」がオリコンウィークリーチャート初登場2位(初動2.3万枚)で、声優歴代トップの記録というニュースが先週話題になりました。過去シングルでは02年の林原めぐみNorthern lights」、アルバムを入れても96年林原めぐみの「bertemu」と03年坂本真綾の「ニコパチ」の3位が最高だったと一部スポーツ紙などでも報じられたんですが、TWO-MIXがもっと行ってなかったっけと調べてみるとシングルでは98年の「TRUTH 〜A GREAT DETECTIVE OF LOVE〜」が3位、アルバムを入れると96年の「BPM150MAX」が2位というのが最高だった模様(ソースはここ)。TWO-MIX好きとしては、水樹奈々に対して「シングル歴代最高で、アルバムを入れると歴代タイ」と強調したいところではありますが、まあそれは蛇足というもの。まあWikipediaなんかだと「声優単独名義の歴代最高位記録」と書いてあるし。

どういう因果なのかよくわかりませんが、オタク界隈以外でも一部でそこそこ話題になって、HEY!HEY!HEY!にゲスト出演するというところまで行ったりしたわけですから、すごいことなんでしょう。『リリカルなのはA's』の主題歌という非常にニッチな放送枠のアニメにも関わらず、とも思えてしまいますが。
ただ以前も何度か書いたと思いますが、オリコンランキング否定論者なので2位という結果がすごいのかどうか何とも評価しかねます。むしろ初動2.3万枚で2位に入り込めてしまうこと自体が、ランキングの意味の低下を意味しているような気がしてなりません。前述の林原めぐみ坂本真綾TWO-MIXの場合は、初動がどれくらいだったか定かではありませんが、少なくとも10万を超えていた記憶があります。同時期(90年代後半)では、國府田マリ子椎名へきるも10万越えを記録していたようにも思います。この絶対的な売上数の問題は、声優というジャンルに限らず、音楽業界全体で「CDが売れない」ということが言われているので、もしかしたら「2.3万枚で2位」という数字は相対的に妥当な順位と言えるのかもしれません。

このニュースを聞いて「水樹奈々すげぇ」という感想と同時に、「その枚数で2位になってしまうんだなぁ」という言いしれぬ感慨がありました。「ハッピー☆マテリアル」の時も3〜4万くらいの数字で推移してたし、今の日本のCDの購買力(というかオタク層の購買力)ってこれくらいの数字なのかもしれません。しいて言うと『ガンダムSEED』のキャラソンが軽く10万枚越えしてたりするので、あれはあれで特別なのかもしれませんが。

でもこの人、歌上手いよなぁ。あまりしっかり聞き込んでいるわけではないんだけど、今年に入ってからのシングル2作がいずれもいいもんなぁ。昨年末のアルバム「ALIVE & KICKING」に比べてポップさが抜けて、演歌風のテイストが入ってるというのがまたハマってるのかもしれない(来歴を知ってしまってるから余計にそう感じられるというのはあるかもしれないけど)。
「声優」が「歌手」として歌の方向性を模索しながら作品を作るということに異論のある人はまだまだいっぱいいるだろうけど、この人の場合はちゃんとした歌唱力があるのと、歌詞が水樹奈々ワールドを作りつつもちゃんとアニソンになってるというのが評価できてしまうんだよなぁ。