IGとマッグの経営統合に関して思ったあれこれ

今回のエントリーは大半が「感想」なので、あらかじめお断りしておきます。

アニメ制作のプロダクションIGとコミック専業出版のマッグガーデン経営統合することになったそうです。実質はIGによるマッグの買収ですかね。IGの下に制作会社としてのIGやマッグガーデンや元々IGの子会社であるジーベックなんかがぶら下がる格好で、持ち株会社制に移行するようです。

マッグはガンガンの初代編集長が作家を引き連れて出奔して設立された出版社なわけですが、お馴染み「エニックスお家騒動」で一世を風靡したり設立 2年でマザーズ上場を果たしたり、とはいえここ数年は売上高横ばい・利益率低下気味という負のスパイラルに陥りかけてた出版社です。『ARIA』だったり『まもって守護月天』だったりといったそこそこのヒット作はあったはずですけどね。
一方のIGはというと『攻殻機動隊』という世界的ヒット作を持つもののここ数年のアニメ不況の中で、やはり売上高が横ばい推移してたりします。

このニュースにふたつほど感想がありまして。実はIG株を持ってるんだけど、リリース当日に株価上昇→売買停止→急騰→急降下という日中足は勘弁してくれ。デイトレーダーじゃないので逃げ切れんよ。シナジー効果期待でしばらくは上昇基調になるかなという気はしてるけど、ますます逃げ時が難しいのが悩みどころ。含み益がある内に逃げておくのが正解だけどね。それを言っちゃうと「スカイ・クロラ」アニメ化発表の時に逃げておくべきだったんだろうけど、平均取得単価よりまだ上なのと、中長期的には期待したい気持ちはあるのでもうちょっとホールドしてみるつもりだけど。株式交換比率が妥当なのかどうかとかはちょっと検証してみないと何とも言えませんが。これは投資家的視点。

続いてアニオタとして、あんまり詳細調べないで書きますけど、本当にシナジー効果あるのかよという思いがあります。マッグガーデン(というかコミックブレイド)ってまあまあコンスタントにアニメを作ってるけど、制作会社はJCスタッフだったり、前だとGONZOやディーンでやってたりするのか。『ARIA』のハルフィルムのイメージが最近は強いけど、あそこはIGの血が少し入りつつベースは東映アニメみたいなイメージがあるな。たぶんIG単独でアニメ化っていうのは今までないはず。今まで資本提携はずっとしてたけど。まあハルフィルムは過去にジーベックやIGと組んでたこともあるのか。
つまり今後はブレイドのアニメ化に多かれ少なかれIGが絡む可能性が高くなるけど、そもそもブレイドの連載作品ってどうよという気がしないでもない。ちゃんと読んだり状況を追ってないので偉そうなことは言えないんだけど、『ARIA』しかないんじゃね? みたいな疑念はあります。むしろこの提携とは無関係に『スカイ・クロラ』の方が期待できちゃったり、『攻殻機動隊』の新作はないのかよとか思ったりもしちゃいます。
そもそもマッグガーデンに対しては、一時期のガンガンのイメージが強すぎたが故に良くも悪くも期待していないという色眼鏡があるせいかもしれません。一部年代のオタクの中では共通認識なのではないかなという感じも多少はありますけど。

あとは最近の日本の経済界でありがちな議論として、これを機にアニメ産業やオタク産業での業界再編の契機になるのかという視点を持ってみるのも面白いかもしれません。業績不振にあえぐゴンゾ(というかGDH)が何か動くのかなという期待が一番大きいでしょうか。上場企業の中だと東映アニメーションだったり、インデックスなんかもちょっと関連はあるかな。あとはちょうど『ハルヒ』の第二期も強烈な仕掛けと共に発表されましたが、角川の今後のアニメ戦略の中で何か企んでたりするんじゃないかという邪推も働かせたくなってしまいます。この辺りの名前を挙げると今一番旬な京都アニメーションの動向とかが出てきたりすると面白いんですけどね*1

*1:最近は角川との繋がりがありそうだけど、元々はタツノコだったりサンライズだったりIGも繋がりがあるそうな from Wikipedia